著書紹介立教大学 コミュニティ福祉学部/大学院コミュニティ福祉学研究科

コミュニティ福祉学部教員が執筆した著書を紹介します。
2024年
『なぜ罪に問われた人を支援するのか?——犯罪行為を手離す方法をさぐる』
掛川直之(福祉学科准教授)編著

2024年9月 旬報社
なぜ、犯罪をした〈悪い奴〉を支援するのか。こうした素朴でありながら本質的な問いを4名の元犯罪行為経験者と彼らを支える2名の〈支援者〉の生活史を手がかりに考える。これまで犯罪行為をくり返してきた人が、どうして犯罪行為を手離すことができたのか。犯罪行為を手離すことを支えるとはどういうことなのかを背景から考えることのできる1冊。
『Research Handbook on Homelessness』
後藤広史(福祉学科教授)分担執筆

Edited by Guy Johnson, Dennis Culhane, Suzanne Fitzpatrick, Stephen Metraux, and Eoin O’Sullivan
2024年8月 Edward Elgar Publishing
The Research Handbook on Homelessness presents a comprehensive account of the current knowledge and understanding of homelessness, the substantial challenges it presents and the latest developments in responding to the issue. Bringing together 54 of the world’s leading scholars in this field, this multidisciplinary Research Handbook acknowledges the increasing interest in homelessness across various academic disciplines and highlights the constant evolution of this issue, as well as the research methods that accompany it.
第24章「The impact of COVID-19 on homelessness in Japan』を分担執筆(共著)
『ソーシャルワーカーのミライ』
後藤広史(福祉学科教授)分担執筆

荒井浩道・長沼葉月・後藤広史・木村淳也・本多勇・木下大生 著
2024年8月 生活書院
ソーシャルワーカーを取り巻く困難な状況を踏まえながらも、それぞれの立場から少しでも希望ある未来を描くことを目指し書かれた、「ソーシャルワーカーの○○」シリーズ最後を飾る一冊
第1章「誰もがソーシャルワーカーである社会へ──学生の視点から考えるソーシャルワーカーの『ミライ』」を分担執筆
『子ども白書2024』
山田恵子(福祉学科助教)分担執筆

日本子どもを守る会編
2024年7月 かもがわ出版
『子ども白書』は、1964年に創刊されてから60年目を迎えた。2024年版では、「子どもの権利と環境」を特集テーマに取り上げている。山田は2019年版から「子どもと家庭」領域の編集委員。2024年版では、子どもと家庭この1年「潜在化し続けてきた家族問題と新たな課題」を執筆。
『学校福祉実践論—子どもにとってしあわせな学校をつくる他職種協働』
山田恵子(福祉学科助教)分担執筆

鈴木庸裕編著
2024年4月 ミネルヴァ書房
本書は、いじめや不登校、虐待、差別、格差などといった、生きづらさをもつ子どもたちも通う学校の福祉的機能を担う多職種協働の目的と価値、方法と技術をめぐる理論と実践を提案するものである。山田は、第Ⅰ部第4章「学校福祉実践の水脈をめぐる探求—鈴木道太の生活教育の展開」、第Ⅱ部第2章「『家庭訪問』が育む子どもの力」を執筆。
2023年
『エッセンシャルワーカー——社会に不可欠な仕事なのに、なぜ安く使われるのか』
上林陽治(コミュニティ政策学科特任教授)分担執筆

田中洋子編著
2023年10月 旬報社
本物の仕事(リアルジョブ)なのに、なぜ低待遇のままなのか?
社会にとって不可欠な仕事(エッセンシャルワーク)の待遇はなぜこんなにも悪いのか。あまり知られていないそれらの仕事の実態から、なぜ待遇悪化が起きているのか、それが私たちの社会にどう跳ね返ってくるのかをあきらかにする。エッセンシャルワーカーの国際比較を通じて、現状を変えていくためのヒントも提言。第Ⅱ部「予算削減で進む公共サービスの非正規化」のうち、第1章「自治体相談支援員」、第3章「教員」を分担執筆。
『コロナ禍3年 聴き続けた1万5000の声——電話相談から始まる、未来を創る運動』
後藤広史(福祉学科教授)分担執筆

小久保 哲郎・猪股 正・コロナ災害なんでも電話相談会実行委員会編
2023年9月 明石書店
コロナ禍による困窮者を対象に、支援者たちが2020年4月から2022年12月まで17回実施した電話相談会の記録。当事者の悲痛な声を集めるとともに、労働、生活・社会保障、女性の視点からの提言や研究者による分析も加え、未来を創る運動を提起する。第6章『「滞納・借金の有無」からみた生活困窮世帯の特徴——成人の子どもがいる世帯に着目して』を分担執筆。
『道徳は本当に教えられるのか——未来から考える道徳教育への12の提言』
走井洋一(コミュニティ政策学科教授)共著

田沼茂紀(編)走井洋一・荒木寿友・髙宮正貴・吉田誠・豊田光世・中野啓明・藤澤文・柳沼良太・江島顕一・関根明伸・苫野一徳
2023年1月 東洋館出版社
道徳科が設けられて数年が経過したが、VUCAな時代においてこのままでよいのか──この問いに向き合い、次期学習指導要領を見据え、未来社会の在り方を考察し、そこから見えてくる「道徳科のあり方」を12人の研究者が提案した。
2022年
『続・道徳教育はいかにあるべきか——歴史・理論・実践・展望』
走井洋一(コミュニティ政策学科教授)分担執筆

道徳教育学フロンティア研究会編
2022年11月 ミネルヴァ書房
2018年度から開始された「特別の教科 道徳」は、定着の色を見せてきた。しかし、このことは必ずしも「道徳教育学」の確立を意味するものではない。そこで本書では、第一巻に続き、より深く道徳科の理論的基盤の構築に取り組み、より多彩なアプローチから道徳教育学を捉える。また、新たな試みとして、次期学習指導要領に向け、これまでの我が国の道徳教育のあり方を検証し、現行の学習指導要領について課題を見出していく。
『人文地理学のパースペクティブ』
武者忠彦(コミュニティ政策学科教授)分担執筆

竹中克行編著
2022年11月 ミネルヴァ書房
人文地理学の最新の研究動向にもとづいて執筆された入門テキスト。都市・農村・ランドスケープを切り口として地域を理解する基本的な作法を学び,社会と空間のモデル化や,場所をめぐる人間の思考様式などに踏み込んでいる。武者は第8章「都市を再生する人々」を分担執筆している。
『格差に挑む自治体労働政策——就労支援、地域雇用、公契約、公共調達』
上林陽治(コミュニティ政策学科特任教授)共編著
原田晃樹(コミュニティ政策学科教授)分担執筆


篠田徹・上林陽治編著
2022年10月 日本評論社
地方自治体には格差や貧困などの社会の危機に対し、働く人を下支えして自尊心を回復し、公共調達を通じて、よい事業者を育成し悪い事業者を排除して、働く者の人権を守る労働政策という仕事があることを、問題意識を共有する研究者仲間との討論を通じて、明らかにしたもの。
『The World Politics of Social Investment: Volume II The Politics of Varying Social Investment Strategies』
濵田江里子(コミュニティ政策学科准教授)分担執筆

Julian L. Garritzmann, Silja Häusermann, and Bruno Palier eds.
June 2022 Oxford University Press
知識基盤型経済への移行が進む先進民主主義国における福祉国家の再編を、社会的投資という視点から分析し、その世界的な展開の見取り図と政治過程を分析した国際共同研究の成果をまとめた2冊組の著書の1冊。北・大陸・南・東ヨーロッパ、北・ラテンアメリカ、東アジアにおける社会的投資の特徴と実態、政策過程の分析、政治的な条件の抽出を通じ、各国・地域における相違の説明を試みた。Chapter 12「The Quiet Diffusion of Social Investment in Japan: Toward Stratification」(日本における社会的投資の静かな浸透:階層化の進展)を三浦まりと共に執筆した。
『人間と社会のうごきをとらえるフィールドワーク入門』
阪口毅(コミュニティ政策学科准教授)分担執筆

新原道信編著
2022年5月 ミネルヴァ書房
フィールドワークにはどんな魅力があるのか。書庫からストリートに出、さらには海外にも足を運んだ実際のフィールドワークを基に、その具体的な進め方や手法を学ぶ。身近な目標となる学生の体験も収録。第3章「新宿・大久保の路地と小さな祭りから——フィールドを往還する」を分担執筆。
『社会の解読力〈文化編〉——生成する文化からの反照』
原田峻(コミュニティ政策学科准教授)分担執筆

出口剛司・武田俊輔編著
2022年3月 新曜社
文化的事象を細部にわたり分析しながら、それがいかなる社会的背景・文脈のもとにどのような実践として生成しているのかを描き出す文化社会学。そのコンセプトのもと、多様なテーマに取り組んだ著者たちの成果を一冊に凝縮。原田峻は第5章「NPOの歴史的位置」を分担執筆した。
『スクールソーシャルワークの実践と理論——養育困難家庭の不登校児の学習権保障をめぐって』
山田恵子(福祉学科助教)単著

2022年3月 明誠書林
日々のスクールソーシャルワーク実践から、教育と福祉が重なる本テーマを取り上げてまとめた。本書は、いくつもの実践を手掛かりに、実践を煮詰め、実践の豊かさから理論を形成しようとしたものである。また、不登校や児童虐待を教育学や福祉学のみでなく、文化論で捉える必要があることを述べた。第4章では同和教育、第6章では生活綴方教育をという、日本の優れた教育遺産を取り上げている。
『流れゆく者たちのコミュニティ——新宿・大久保と「集合的な出来事」の都市モノグラフ』
阪口毅(コミュニティ政策学科准教授)単著

2022年2月 ナカニシヤ出版
多種多様な人々が行き交う複層的「都市」を舞台に、人々が出会い、「祭」を形づくる——自主的な「アジアの祭」と結節点としての団体「共住懇」への十数年にわたるフィールドワークの集大成。コミュニティ研究の新たな方法論から、ひととひとのあいだで生まれる繋がりと出来事の連関を描き出し、「場所」と結びついたコミュニティの今日的な在り方を考察する。地域社会学会奨励賞(2022年度・個人著作部門)受賞
『出所者支援ハンドブック——刑事司法ソーシャルワークを実践する』
掛川直之(福祉学科准教授)共編著

掛川直之・飯田智子編著
2022年1月 旬報社
出所者支援にかんする「不安」は解消し、通底する「理論」も理解した。いよいよ出所者支援にとりくもうと決めたとき、まず何から始めればよいのか。実践段階でのノウハウについて事例を交えながらていねいに解説。刑事司法ソーシャルワークを実践していくうえでの手引きとなる実践書。
2021年
『ごみ収集とまちづくり——清掃の現場から考える地方自治』
藤井誠一郎(コミュニティ政策学科准教授)単著

2021年8月 朝日新聞出版社
奥の深い清掃事業について、その入口からもう一歩踏み込んで幅広く描くことにより、体系的に全体像を把握できるように述べた書である。コロナ禍のごみ収集の現場のみならず、行政改革、清掃差別、女性の活躍、住民と行政の協働による繁華街の美化、さらには産業廃棄物業界の概要とそこで推進されているDXまでにも視野を広げて詳述している。
『道徳教育はいかにあるべきか——.歴史・理論・実践』
走井洋一(コミュニティ政策学科教授)分担執筆

道徳教育学フロンティア研究会編
2021年4月 ミネルヴァ書房
2018年度、「道徳」は教科となった。戦後初めてとなるこの試みは、道徳教育における学問的研究のより一層の充実を求めることになる。そもそも道徳とは、私たちはどうあるべきか、どう生きるべきかという問いへの回答であり、そこでは哲学・倫理学・歴史学・心理学といった多彩なアプローチが必要となる。そこで本書では、ひとつの学問領域にとどまらない、学際的な道徳教育学の「最前線」を提示していく。
『鈴木道太研究——教育・福祉・文化を架橋した先駆者』
山田恵子(福祉学科助教)分担執筆

増山均編著
2021年4月 明誠書林
小学校教員、児童福祉司、子ども会指導者、教育評論家など、多彩な経歴から子どもと関わり続けた鈴木道太の歩みと業績を、教育のみならず、福祉や文化を含んだ視点から捉えた研究書である。山田は「第1章5節 生活教育論の展開と模索」「第2章 鈴木道太における教育と福祉—『はみ出した教育』と福祉へのアプローチ」「第6章 児童福祉の開拓者としての鈴木道太—『キャロル女史の講義』ノートと児童相談所におけるケースワークの草分け」を執筆。
『空き不動産問題から考える地方都市再生』
武者忠彦(コミュニティ政策学科教授)共編著

箸本健二・武者忠彦編著
2021年3月 ナカニシヤ出版
空き家問題の陰でこれまであまり論じられなかった「空き不動産」(空きビル・空き店舗・空き公共施設・空き地など)の問題に焦点を当て,「地域経済再生」「コミュニティ再生」「新しい都市政策」という3つの視点から実証的に捉え,地方都市再生のあり方を多角的に論じている。
『アンダークラス化する若者たち——生活保障をどう立て直すか』
津富宏(コミュニティ政策学科特任教授)分担執筆
藤井敦史(コミュニティ政策学科教授)分担執筆
濵田江里子(コミュニティ政策学科准教授)分担執筆


宮本みち子・佐藤洋作・宮本太郎編
2021年3月 明石書店
不安定な生活基盤や希薄な社会関係の中で大人になり、アンダークラスに落ち込んでしまう若者たちの実態を明らかにし、そうした若者の現在から将来までの生活保障の必要性を提起した著書。執筆陣は研究者、若者支援の実践者、地方行政の職員からなり、理論と実践の融合を目指した。津富が第5章「アンダークラスを支えるーー弱者の技法としての静岡方式」、藤井が第6章「社会的連帯経済と若者支援」、濵田が第9章「日本の若者政策における『若者問題』ーー就労支援と複合的な困難の移相」を分担執筆。
『非正規公務員のリアル——欺瞞の会計年度任用職員制度』
上林陽治(コミュニティ政策学科特任教授)単著

2021年2月 日本評論社
住民に最も近い地方自治体である市区町村に勤務する職員の4割は、年収が200万円程度で働く非正規公務員です。図書館員の7割、保育士の5割以上、婦人相談員や消費生活相談員などの相談支援にあたる職員のほとんどが非正規公務員で、その実態から官製ワーキングプアと呼ばれています。本書は非正規公務員問題とは何かを明らかにしたものです。
2020年
『未完の「公共私連携」——介護保険制度20年目の課題』
上林陽治(コミュニティ政策学科特任教授)編著

2020年12月 公人の友社
今日、子ども食堂、ケアラー問題など無縁社会を活動領域とする様々な市民活動が生じてきた。そのため、公共私連携の現実と「公」の可能性について再考してみなければならない。とりわけ社会化と市場化のせめぎ合いの中で七転八倒している介護の問題を、その主体の現状を中心に検証し、その中で地方自治体にはどのような役割が課せられているのかを展望する。
『官製ワーキングプアの女性たち——あなたを支える人たちのリアル』
上林陽治(コミュニティ政策学科特任教授)分担執筆

竹信三恵子・戒能民江・瀬山紀子編著
2020年9月 岩波ブックレット
児童虐待やDVや年金の相談・支援、図書館司書、保育士、学校給食調理員、女性関連施設の職員、非常勤教員等々、待遇は劣悪なまま、体よく「やりがい搾取」される女性非正規公務員たち。私たちの暮らしを直接支える人たちの生活がこのまま脅かされていていいのか? 現場からの切実な声を届け、いま何が必要なのかを考える。
『犯罪からの社会復帰を問いなおす——地域共生社会におけるソーシャルワークのかたち』
掛川直之(福祉学科准教授)単著

2020年8月 旬報社
刑事司法ソーシャルワークの最前線における参与観察、およびこれまでのフィールドワークの成果をもとに、再犯防止にとらわれないソーシャルワークのあり方を問う。従来の「犯罪者処遇」の枠組みから、地域を基盤とした福祉的な「社会復帰支援」へのパラダイム転換を提唱し、刑事司法と福祉の望ましい連携の途をさぐる研究書。
『ホームレス経験者が地域で定着できる条件は何か——パネル調査からみた生活困窮者支援の課題』
後藤広史(福祉学科教授)分担執筆

山田壮志郎 編著
2020年7月 ミネルヴァ書房
生活保護等によりアパートに入居したホームレスが再び野宿生活に戻る現象が散見されるが、それはなぜか。本書は7年間で延べ600人程のホームレス経験者を対象に行ったパネル調査をまとめたものである。福祉・看護・心理・社会政策・公衆衛生等の知見を基に、地域生活の持続可能性を高めるための条件を経年的かつ学際的に分析し、精神的健康の維持・向上と孤独感解消も経済給付等と同様に重視すべき点を提言した一冊。第10章「地域生活の継続における民間支援団体の役割」を分担執筆。
『3・11後の社会運動——8万人のデータから分かったこと』
原田峻(コミュニティ政策学科准教授)分担執筆

樋口直人・松谷満編著
2020年6月 筑摩書房
ピーク時には1カ月で延べ100万人が参加した反原発デモ。国会前や各地で繰り広げられた反安保法制デモ—。1970年以降、社会運動が退潮していった日本で、3・11後に大規模デモが復活したのはなぜか。どのような人が、どのようなきっかけで参加したのか。大規模デモが発生し持続し得た理由を、約8万人のデータを用いて多角的に分析し、新たな知見を導き出す。
『アイルランドの地方政府——自治体ガバナンスの基本体系』
藤井誠一郎(コミュニティ政策学科准教授)訳

マーク キャラナン著、 藤井誠一郎訳、小舘尚文監訳
2020年4月 明石書店
本書は、Mark Callanan, Local Government in the Republic of Ireland, Institute of Public Administration, 2018 の全訳である。在外研究先のアイルランドにて現地の行政大学院で利用しているテキストを入手できたので、それを翻訳した。2014年の地方制度改革後のアイルランドの地方自治についての文献が無かったため、本書が日本語で読める唯一のアイルランドの地方自治解説書となっている。
『ロビイングの政治社会学——NPO法制定・改正をめぐる政策過程と社会運動 』
原田峻(コミュニティ政策学科准教授)単著

2020年4月 有斐閣
NPO法の成立・改正過程に注目し,そこに大きく影響した社会運動(ロビイング)の動きを,多様な関係者へのインタビューと豊富な文書資料をもとに分析した。ロビイングの存立(成功)条件・戦略とその帰結を,社会学の観点から明らかにする。第14回地域社会学会奨励賞(個人著作部門)・第19回日本NPO学会賞(優秀賞)受賞。
『グローバル化のなかの都市貧困——大都市におけるホームレスの国際比較』
後藤広史(福祉学科教授)分担執筆

山口 恵子・青木秀男 編著
2020年3月 ミネルヴァ書房
経済のグローバル化は世界の大都市にホームレスを生み出したが、そのプロセスやかたちは都市により異なる。本書では、大都市、東京・大阪・マイアミ・マニラにおけるホームレスの比較分析を通して、その類似性と差異性について労働市場、空間構造、社会政策の側面から検討する。路上からの大都市論を構築した斬新な研究。第4章「ホームレス状態にある人々からみた福祉施策」を分担執筆。
2019年
『Cultural and Social Division in Contemporary Japan: Rethinking Discourses of Inclusion and Exclusion』
原田峻(コミュニティ政策学科准教授)分担執筆

Yoshikazu Shiobara, Kohei Kawabata and Joel Matthews eds.
August 2019 Routledge
現代日本における社会的分断・排除について、歴史学・政策研究・文化研究・社会学・文化人類学の学際的な観点から考察し、海外に発信した論文集。原田峻は第12章「Discrimination of evacuees in the wake of the Fukushima nuclear disaster」(福島原発事故後の避難者への差別)を分担執筆した。
『日本における外来宗教の広がり——21世紀の展開を中心に』
丹羽宣子(コミュニティ政策学科助教)分担執筆

宗教情報リサーチセンター編・井上順孝責任編集
2019年3月 (公財)宗教情報リサーチセンター
「マインドフルネスの流行と日本仏教界」を分担執筆。仏教の瞑想を起源とし、20世紀後半の欧米社会で発生・展開していったマインドフルネスは、日本でビジネススキル開発や精神医療として脱宗教化されながら普及していった。ある種「逆輸入」のような道筋をたどっているがゆえに、それがもたらしている反響の分析は、現代の宗教状況を考える一助となる。
『城下町のまちづくり講座』
武者忠彦(コミュニティ政策学科教授)分担執筆

松本都市デザイン学習会編
2019年3月 信濃毎日新聞社
国宝松本城を中心に形成された城下町・松本の都市デザインをめぐって,地域の建築士や商店主,市職員,大学教員などが長年にわたり研究・実践を続けてきた活動の軌跡をまとめたもの。まちづくりのための市民活動や官民連携のあり方についても多面的に議論している。武者は序章などの執筆のほか,本全体の編纂を担当した。
『避難と支援——埼玉県における広域避難者支援のローカルガバナンス』
原田峻(コミュニティ政策学科准教授)共著

西城戸誠・原田峻共著
2019年3月 新泉社
長期・広域の避難者が多数発生した東日本大震災と福島原発事故。避難者を受け入れた地域ではどのような支援が構築されたのか。避難当事者、自治体、ボランティア、支援団体などによって、数々の実践がなされた埼玉県各地の事例を網羅的に調査・分析し、災害時における避難者受け入れと支援の課題を明らかにする。第13回地域社会学会賞(共同研究部門)・第18回日本NPO学会賞(優秀賞)受賞。
『〈僧侶らしさ〉と〈女性らしさ〉の宗教社会学——日蓮宗女性僧侶の事例から』
丹羽宣子(コミュニティ政策学科助教)単著

2019年2月 晃洋書房
近現代の日本仏教では、男性僧侶は世俗的生活を送る一方で、伝統的な尼僧は出家の姿を守り続けてきたといわれてきた。しかし今日では、多様な背景をもつ女性の僧侶たちが活躍の場を広めつつある。明治維新後の日本仏教各宗派において進んだ事実上の出家主義の後退とは異なる道を歩んだ女性僧侶たちが、現代社会において〈僧侶らしさ〉と〈女性らしさ〉の深い葛藤や戦略的結合のうちに新たな僧侶像を探求する姿を描く。第15回国際宗教研究所奨励賞受賞。
2018年
『生活保護と貧困対策——その可能性と未来を拓く』
木下武徳(コミュニティ政策学科教授)共著

岩永理恵・卯月由佳・木下武徳共著
2018年12月 有斐閣
貧困や生活保護をめぐるさまざまな誤解を解きほぐし,よりよい制度・社会の構築へと議論をつなげる入門テキスト。難解な制度の解説だけでなく,根本から問題について考えるための事例や,他の制度や他国の仕組みと比較しながら考える視点を提示する。
『不安解消!出所者支援——わたしたちにできること』
掛川直之(福祉学科准教授)編著

2018年10月 旬報社
出所者支援の必要性はわかる……。しかし、手には負えないモンスターがやってくるのではないか……。漠然とした「不安」が支援にとりくむ一歩を阻む。そうした不安をとりのぞくためにはどうすればよいか。支援の重要性を認識しつつも、なかなか実践に踏み出せないソーシャルワーカーの不安を解消することを目的に編まれた入門書。
『ごみ収集という仕事——清掃車に乗って考えた地方自治』
藤井誠一郎(コミュニティ政策学科准教授)単著

2018年6月 コモンズ
自身の清掃体験を基に、清掃の現場がどのように動いているのかを詳述し、清掃職員が果たしている役割を可視化している。一方、民間委託の仕組みや、その作業員がどのようなモチベーションで業務を行っているかも明らかにしている。これらを踏まえ、どうすれば技能労務職員が削減されずに維持されていくのかを現場目線で提案し、今後の清掃行政や地方自治のあり方を展望している。
『社会への投資—<個人>を支える、<つながり>を築く』
濵田江里子(コミュニティ政策学科准教授)分担執筆

三浦まり編
2018年3月 岩波書店
資本主義経済が変容し、雇用の不安定化や家族の多様化が進む中で、人びとが安心し、信頼し合って暮らしていける社会をつくるにはどうしたら良いのか。本書では「社会への投資」として、個人への投資だけでなく、人びとのあいだの信頼や協調関係への投資を行うことが必要だと諸外国との比較を通じて提起した。第1章「社会的投資戦略の総合評価」(金成垣と共同執筆)、第4章「子どもの貧困対策にみるイギリスの社会的投資戦略の変遷」(単独執筆)、第6章「日本における社会的投資戦略の静かな浸透?」(三浦まりと共同執筆)。
『ソウルの市民民主主義——日本の政治を変えるために』
上林陽治(コミュニティ政策学科特任教授)分担執筆

白石孝編著、朴元淳ほか著
2018年3月 コモンズ
韓国ソウル市では、市民運動出身の朴元淳が2011年に市長に就任後、そのリーダーシップと市民の参画で、自治体改革が進んだ。貧困を解消するために働きがいのある仕事を創り出し、非正規雇用をなくし、職員がまちへ出かけて弱い立場の市民のニーズを探る取り組みが進んだ。日本にとって大いに参考となる政策を詳しく紹介し、どうすれば日本でも可能になるかを考察する。
『公共的なるもの——アーレントと戦後日本』
権安理(コミュニティ政策学科准教授)単著

2018年1月 作品社
高校の教科名にもなった「公共」。哲学のジャンル、公共空間や公共圏、さらには公共性という性質を表す言葉にもなる“the public”(「公共的なるもの/公共」)が含意することは何か。このような関心から、アーレントに依拠して、「公共的なるもの」の概念の普遍的な存在意義を検証している。またそれを踏まえて、「公共的なるもの」が戦後日本という歴史の中で、いかに展開、言及されてきたのかを明らかにしている。
2016年
バングラデシュ農村にみる外国援助と社会開発
鈴木弥生(コミュニティ政策学科教授)単著
2016年2月 日本評論社
先行研究の分析と現地調査に基づき、バングラデシュで行われてきた日米主導による援助・開発が、農村居住者各層に及ぼした影響について分析している。また、社会開発を推進する市民社会の活動およびその活動への貧困層の参加についても現地調査を行い、外国援助や開発では周辺におかれてきた貧困女性の参加実態や家族の生活への影響を十年以上にわたってみることで、社会開発を推進するうえでの市民社会の役割を検証している。2017年国際開発学会奨励賞受賞。
2015年以前~
『ソーシャルワーカーのジリツ——自立・自律・而立したワーカーを目指すソーシャルワーク実践』
後藤広史(福祉学科教授)共著

木下大生・後藤広史・本多勇・木村淳也・長沼葉月・荒井浩道共著
2015年発行 生活書院
「価値」「理念」「専門性」だけではぶつかってしまう壁。その壁にぶつかり失敗を重ねつつ「よいソーシャルワーカー」をめざして今も取り組み続ける6人それぞれのソーシャルワーク実践。遭遇した経験が教えるものを自らの言葉で表現できること、実践知を自らのものにすることの中にこそ「自立・自律・而立」のあり方をみる、若きソーシャルワーカーたちへのエール。
『教育的思考の歩み』
走井洋一(コミュニティ政策学科教授)分担執筆

笹田博通編著
2015年11月 ナカニシヤ出版
教育的思考とはそもそも何であ(りう)るのか。ゲーテ、ニーチェ、ハイデガーなど、思想家あるいはテーマに基づく章構成により、近代教育哲学の源流を描き出すとともに,その諸相について多角的で重層的な探究を行う。
『住民参加の現場と理論——鞆の浦、景観の未来』
藤井誠一郎(コミュニティ政策学科准教授)単著

2013年10月 公人社
本書は、景観問題で全国的に有名になった広島県福山市鞆町を対象地域として、埋立架橋計画の賛否を巡る住民間対立の緩和を目指した「住民協議会」に密着し、住民参加の理論から実践に分析を行うとともに、実践を基に理論に検討を施す形で、実践から浮かび上がった「住民参加の限界」について新たな視点を提供し、理論の発展に挑戦している。
『ホームレス状態からの「脱却」に向けた支援——人間関係・自尊感情・「場」の保障』
後藤広史(福祉学科教授)単著

2013年8月 明石書店
日本のホームレス人口は生活保護の活用等により減少してきているが、ホームレス状態から実質的な「脱却」を果たすためには、人間関係や自尊感情に配慮した支援が不可欠だ。本書は具体的な支援論も含めた、現場に密着した研究成果である。
『アメリカ福祉の民間化』
木下武徳(コミュニティ政策学科教授)単著

2007年3月 日本経済評論社
アメリカ福祉の民間化が飛躍的に発展する契機となった公的扶助改革をとりあげ、政府とNPOとの委託契約による福祉サービス提供の実態と問題点を実証的に分析する。

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