2024/12/03 (TUE)
コミュニティ福祉学会「第10回研究実践奨励賞選考報告」
OBJECTIVE.
第10回研究実践奨励賞は以下の2作品に決定いたしました。
授賞作品
1)大城 未裕 氏
「エシカルファッションをめぐる研究動向」(論文)
「エシカルファッションをめぐる研究動向」(論文)
2)渡邊 早智 氏
「医療現場における非COVID-19患者の面会制限と家族の疾病受容への影響」(現場からの声)
「医療現場における非COVID-19患者の面会制限と家族の疾病受容への影響」(現場からの声)
以下、同賞の趣旨を再確認した上で、今回の選考体制および選考過程、受賞作品の講評などを報告いたします。
研究実践奨励賞の趣旨
研究実践奨励賞は、コミュニティ福祉学会の学会誌である『まなびあい』に掲載された作品のうち、コミュニティ福祉学部の学部生、大学院生、卒業生、修了生などによって執筆された優れた作品を選び、表彰して奨励するものです。また、研究や実践を奨励することで、『まなびあい』を多くの方に読んでいただくとともに、卒業生、修了生と在校生の交流をより一層深めることが目指されております。
選考体制および選考過程
2024年6月17日(月)に開催された選考委員会において、選考対象となる作品(第16号掲載の5作品)に対して、受賞作品の選考が行われました。選考基準、選考体制、選考過程、選考結果の詳細は以下の通りです。
選考基準
選考基準は以下の2点です。第一に、研究論文については、学術論文としての完成度のみを評価基準とするのではなく、多少粗削りな作品であったとしても、潜在的な発展可能性を実感させるものであること。第二に、実践記録・報告やエッセイなどについては、コミュニティ福祉学部での実践的な学びと通底する、社会問題の現場での気付きや問題意識、実践現場ならではのアイデアなど、多くの読者の支持や共感を惹き起こすものであること。
選考体制
選考委員会は、まなびあい運営委員会委員と、選考の公平性を担保するための外部選考委員1名(今年度は、コミュニティ政策学科の大久保心先生)によって構成されました。
選考対象作品と結果
まなびあいの規定に基づき、選考対象となった作品は、『まなびあい』第16号に掲載されている内の5作品です。選考委員会の開催に先立って、読者から提出された推薦書60件の集計結果(得票件数、評価項目、推薦理由コメント)がまとめられました。各委員にはそれらも参考にしながら対象作品を閲読し、受賞にふさわしいと考える作品とその理由について、選考委員会の開催前に意見をまとめてもらいました。
選考委員会当日は、外部委員の大久保先生からの推薦書を確認したうえで、各委員に推薦する作品とその理由について報告してもらい、最終候補を3件に絞りました。各委員からの報告を踏まえて、再度、意見を出し合い、最終的に大城氏と渡邊氏の2作品を受賞作品とすることを決定しました
選考委員会当日は、外部委員の大久保先生からの推薦書を確認したうえで、各委員に推薦する作品とその理由について報告してもらい、最終候補を3件に絞りました。各委員からの報告を踏まえて、再度、意見を出し合い、最終的に大城氏と渡邊氏の2作品を受賞作品とすることを決定しました
受賞作品の講評
1)大城 未裕 氏「エシカルファッションをめぐる研究動向」(論文)
本作品は、SDGsの文脈から近年注目を集めつつある「エシカルファッション」について、国内外の研究動向を整理したレビュー論文です。関連する文献サーベイをもとに、「エシカルファッション」の「概念・定義」だけでなく、「社会運動」「産業」「ブランド」「教育」といった各分野での言及のされ方について丁寧な整理が行われており、これから本格的な研究に着手しようという学部生にとっても先行研究のレビューの方法としても学びが深いものです。選考委員からも「テーマの重要性」だけでなく「学術的水準の高さ」「論旨の一貫性」を評価するコメントがありました。本論文は、これから提出される修士論文に組み込まれていくことと思いますが、さらなるご研究の深化への期待を込めて、受賞作品として選ばれました。
2)渡邊 早智 氏「医療現場における非COVID-19患者の面会制限と家族の疾病受容への影響」(現場からの声)
本作品は、COVID-19のパンデミックの渦中において、高度救急救命センターを有する大学病院で医療ソーシャルワーカー(MSW)として勤務されていた著者の経験を、特に非感染者である患者家族との関わりに焦点をあててリフレクションを行った作品です。
面会制限によるコミュニケーションの減少が患者家族にどのような痛みを与えたのか、またMSWがその痛みに向き合いどのような対応を試みたのか、生々しい当時の状況が記録されているだけでなく、関連する先行研究も踏まえてご自身の経験が相対化されています。選考委員からも、コロナ禍当時の医療現場の状況を伝える貴重な作品であるとの評価や、読み手の広い共感を呼ぶといったコメントがあり、以上の理由から、受賞作品として選ばれました。
本作品は、SDGsの文脈から近年注目を集めつつある「エシカルファッション」について、国内外の研究動向を整理したレビュー論文です。関連する文献サーベイをもとに、「エシカルファッション」の「概念・定義」だけでなく、「社会運動」「産業」「ブランド」「教育」といった各分野での言及のされ方について丁寧な整理が行われており、これから本格的な研究に着手しようという学部生にとっても先行研究のレビューの方法としても学びが深いものです。選考委員からも「テーマの重要性」だけでなく「学術的水準の高さ」「論旨の一貫性」を評価するコメントがありました。本論文は、これから提出される修士論文に組み込まれていくことと思いますが、さらなるご研究の深化への期待を込めて、受賞作品として選ばれました。
2)渡邊 早智 氏「医療現場における非COVID-19患者の面会制限と家族の疾病受容への影響」(現場からの声)
本作品は、COVID-19のパンデミックの渦中において、高度救急救命センターを有する大学病院で医療ソーシャルワーカー(MSW)として勤務されていた著者の経験を、特に非感染者である患者家族との関わりに焦点をあててリフレクションを行った作品です。
面会制限によるコミュニケーションの減少が患者家族にどのような痛みを与えたのか、またMSWがその痛みに向き合いどのような対応を試みたのか、生々しい当時の状況が記録されているだけでなく、関連する先行研究も踏まえてご自身の経験が相対化されています。選考委員からも、コロナ禍当時の医療現場の状況を伝える貴重な作品であるとの評価や、読み手の広い共感を呼ぶといったコメントがあり、以上の理由から、受賞作品として選ばれました。
まとめ
選考委員会での丁寧な議論により、最終的には全員一致で、2名の方に研究実践奨励賞を送ることが決定しました。最終候補となった他の作品にも、今後の研究に大きな期待を抱かせるものがありましたが、論文、研究ノート、エッセイ、現場からの声など、全体のバランスを鑑みて、上記の2作品に決定しました。
大城さん、渡邊さん、この度の受賞おめでとうございます。お二人をはじめ、『まなびあい』に投稿してくださった皆さんが、今後もご自身の問題関心や現場実践を深めていかれることを期待しております。
大城さん、渡邊さん、この度の受賞おめでとうございます。お二人をはじめ、『まなびあい』に投稿してくださった皆さんが、今後もご自身の問題関心や現場実践を深めていかれることを期待しております。