学部長メッセージコミュニティ福祉学部

「いのちの尊厳のために」

コミュニティ福祉学部長 木下武徳

 コミュニティ福祉学部は、コミュニティを基盤とする新たな福祉社会の構築を目指して、1998年に新座キャンパスに開設されました。学部の名称である「コミュニティ」と「福祉」という共通課題に、社会福祉学、コミュニティ政策学などの学問領域から総合的な学びを提供し、学生教育に尽力してきました。2023年度で開設25周年となり、四半世紀の歴史を刻んできたことになります。いまや、多くの卒業生が、さまざまな分野で活躍しています。

 みなさんは、本学部の基本理念をご存じでしょうか。それは、「いのちの尊厳のために」です。すべての人々の幸福の実現を決して諦めないという信念は、人間に限らず、すべてのいのちを尊び、そして、自然との共生を図っていく福祉社会の真髄です。差別や搾取を排し、不正義に抗い、平和・平等・社会的正義を実現することは、身近なコミュニティを基盤にした福祉の実現や政策の構築をしていくことで可能になります。

 さて、コミュニティ福祉学部では、それぞれ関心のある地域社会やNPO・NGO、社会福祉などの現場に実際に出向いて見て、聞いて、体験し、考え、議論して学ぶことを大事にしています。実は、読んだり、聞いたりして知っていたつもりでも、自分自身で実際に現場に行ってみると思っていたことと違っていたり、新たな発見があったりすることがあります。教えられて学んだことではなく、そうした自らの主体的な学びは貴重なものです。

 ただ、人ひとりの一生で、実際に見たり聞いたり、体験したりできることは限られています。全国すべての自治体やNPO・NGO、福祉施設に訪問することはできません。しかし、それでもできるだけ多くの現場を見て、その現場がおかれた環境や条件などを調べ、分析することによって、そのものが持つ特性や傾向、本質を見いだすことができます。インターネットやAIが普及する社会のなかでは、物事の本質を把握したうえで対応することがますます求められてきます。

 コミュニティ福祉学部では、積極的に現場に出て学ぶ機会を設けています。たとえば、2021年度より福祉学科では社会福祉士資格取得に向けて240時間の実習として現場での実践を学ぶ機会を拡充しました。コミュニティ政策学科ではコミュニティ専修と政策専修を設け、積極的に現場に出る機会を増やし、初級地域公共政策士の資格を取得できるようにしました。また、学部の正課科目で実施しているインターンシップもあります。

 皆さんが大学で身につける専門的な知識が、現場の体験に裏付けられ、地に足のついた学びができるようしっかりサポートしていきたいと思います。

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