奥深い福祉の世界、現場を見ることが何より大事だと実感しました。

福祉学科 櫻井彩乃さん

2023/12/15

在学生・卒業生

OVERVIEW

福祉学科4年の櫻井彩乃さんに進学を決めた理由や福祉学科での学び・実習についてお話を伺いました。

福祉学科に興味を持ったきっかけや、進学を決めた理由を教えてください。

まず初めに、私が福祉に興味を持ったきっかけは、しょうがいがある人に対して持っていた自身の偏見にショックを受けたからです。しょうがいがある人を私は絶対に差別しないと思っていました。ですが、いざしょうがいがある人を目の前にした時、怖くなり避けたくなってしまったのです。この時、避けようとした自分にガッカリしました。同時に、避けようとする前に知ろうとするべきではないかと思うようになり、しょうがいをはじめ福祉を学べる大学に進学しようと決めました。
なかでも立教大学の福祉学科を選んだ理由は、オープンキャンパスで福祉学科の特色や先輩の声を聞いて、自分と同じような志を持つ仲間と学べるのではないかと感じたからです。高校時代、進路を考える中で社会福祉士という国家資格を知りました。私はこの資格を取得して働きたいと思うようになり、大学選びでは、「社会福祉士の受験資格を得ることが出来るか」というポイントを大切にしていました。そうしてオープンキャンパスに参加すると、他大学の福祉系学科では資格を取得する学生はほんの一部であったのに対し、立教大学の福祉学科では多くの学生が社会福祉士の資格を取得していると知り、それがとても印象に残りました。そうして、同じ目標を持つ仲間がたくさんいる環境であれば、私も一緒に頑張れるのではないかと思い、進学を決めました。また、資格を取得する学生が多いということは、資格取得のための授業カリキュラムや実習制度が充実しているのではないかな、という直感も進学の決め手になりました。

福祉学科でどのようなことを勉強しているのか教えてください。

福祉学科に入ってまず初めに勉強したことは、社会で何が起きているのかを知るということでした。少子高齢化やジェンダー、女性の働き方の変化など、様々な社会問題に触れ、それらの問題をどのように解決するかを考えます。授業で自分なりに考えた解決策と似たような政策が政府から発表されたこともあり、授業のおかげで社会問題を捉え、考え、解決しようとする力が身に付いたのを実感しています。
もちろん福祉の専門的な勉強もします。社会福祉の歴史から社会保障制度、相談援助の技術など、福祉のプロフェッショナルになるための授業が大半を占めます。福祉と聞くと「介護」や「高齢者」という言葉がよくイメージされますが、福祉の世界はもっと広く、「しょうがい」・「低所得」・「こども」・「犯罪をした人の更生支援」など、たくさんのキーワードがあります。これらはまだほんの一部であり、福祉学科では全てのキーワードに触れ、広く福祉を学ぶことが出来ます。
また、福祉の世界は深いです。それは仲間と事例検討をしたり、意見交換をしたりする中で感じられます。いわゆるゼミというものはありませんでしたが、少人数で構成される授業があり、そこで先生から提示されるテーマや、自分が疑問に思うことなどについて自由に話し合います。自分とは全く違う意見を聞くことで自身の考えに深みが増すと同時に、どれだけ話し合っても正解に辿り着けない福祉の奥深さを感じられます。

現場実習について、学んだことや印象に残っていることがあれば教えてください。

実習先は迷わずしょうがい領域を選びました。なかでも相談援助の分野で実習をしました。相談援助とは、地域で生活上の困りごとを抱える人々から相談を受けて支援に繋げていくという仕事です。そのため、相談援助の場では全ての支援制度を知っておく必要があります。私は実習に行く前、授業で習った支援制度を復習しました。また、図書館で本を借り、授業では習わなかった支援制度についても勉強して、実習の準備をしました。それでもいざ実習に行くと、知らないことだらけで、机上の学びだけではなく現場を見ることが何より大事であると改めて実感しました。
現場で見聞きした事については、毎日、それらに対する自分の意見や疑問を実習ノートに記録していました。夜遅くまで実習ノートを書く日々はやはり大変でした。ですが、職員の方が丁寧にコメントを返してくださったおかげで、支援の根本的な意義や支援者として振る舞うべき態度、さらには自身の価値観の偏りなど、多くの事を学ぶことが出来ました。毎日記録をする大変さよりも、得られる学びの方が大きかったので、頑張って書いて良かったと今では思います。

実習で得られたものはそれだけではありません。一番印象に残っているのは、しょうがいがある人の立場に立つという経験をしたことです。実習中、重度の知的しょうがいと加齢による歩行の困難性から、外出支援を利用している人のお出掛けに同行した事がありました。公園で散歩したり、駅ビルでウィンドウショッピングをしたりする中で、すれ違いざまに凝視されたり、まるで邪魔だというように追い越されたりするという経験をしました。やはり、しょうがいがある人の受け止められ方は厳しく、そもそも社会にとってしょうがいは珍しいのだなと感じました。福祉学科でしょうがいについて学ぶうちに、それがある人の存在が身近になり、またノーマライゼーションや社会参加という概念を知っている事が当たり前になります。
外出支援に同行して、その当たり前は社会では通用しないのだと言わんばかりに冷たい秋風が吹く中、いつかは社会の当たり前になって欲しい、そのために社会人として自分が出来る事を頑張りたいと思った実習でもありました。

卒業後の進路について教えてください。

卒業後はしょうがいがある人の入所施設で支援員として働く予定です。当初、相談援助の仕事をしたいと思っていましたが、実習を踏まえて、しょうがいがある人の生活の様子をもっと知りたいと思うようになりました。相談の中には自分の想像をはるかに超え、イメージすることすら難しい話もあります。ですから、入所施設という場で24時間365日を共に過ごし、生活について現実を知る必要があると思っています。現実を知ってこそ、よい相談支援が出来ると考えるため、入所施設で経験を積んだのちに、相談職へステップアップする予定です。
その相談職に就くためには社会福祉士の資格が必要なので、国家試験勉強にも取り組んでいます。大学受験と同じように参考書を読んだり、過去問題を解いたりしていますが、それ以外にもオンライン勉強会へ参加しています。福祉学科が主催する勉強会なのですが、国家試験の仕組みや手続きをはじめ、参考書には載っていないような情報が先生方から発信されるので、とても心強いです。また、同じく試験勉強に励む友人たちと会する場にもなるので、離れていても一緒に頑張っている人がいることを感じられ、自分もより一層頑張ろうと思えます。

受験生へのメッセージをお願いします。

現場実習の集大成「実習報告会」にて 指導教員結城先生と、ともに実習に励んだ仲間たち

私が入学前に持っていた「授業カリキュラムや実習制度が充実しているのではないか」という直感は間違っていませんでした。福祉に関する知識をたくさん得られることはもちろんですが、なにより自分で考える力が身に付きます。また、立教大学の福祉学科では、学生の福祉も大切にされているなと感じます。入学してすぐに学生同士が繋がれる授業があったり、実習で思い悩むことがあっても支えてくれる先生や仲間がいたりと、孤立することは決してなく、1人の学生として大切にされます。ですから、安心して受験勉強に励んでくださいね。応援しています。
※インタビュー当時の情報です。

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